第六大陸1 小川一水著 ハヤカワ文庫JA ISBN:415030727X

 あまりに面白いんで、今日一日で読みきってしまいました。
 今まで、深海、最前線、郵便、ヘリコプター、とあまり注目されてないところでガンバル人たちを次々と描いてきた小川一水ですが、今度は宇宙です。宇宙開発です!
 民間企業による月面基地開発プロジェクト、予算はわずか1500億。果たして? ってなドラマなんですけどね。
 小川一水特有?の、「ガンバル人々によって、仕事がキレイにつながっていき、危機を乗り越えていく」感はこれから、恐らく第2巻で、ってとこなんでしょうけど、とりあえずはお仕事をきちんとこなす人々の爽快感はあります。
 (うう、現実の仕事もこんなにかっこよくいったらなー)
 主人公の肩書きは「機動建築部 主任」ですよ。機動建築部ですよ。モビル・ビルディング・デパートメントですよ! ヒマラヤから深海の底まで建築を請け負ってきた男たちが、今度は月面に挑むですよ!

 今、宇宙開発を扱った漫画・小説がみな悩むのは、「宇宙開発をする理由」。この小説ではある、ちょっと強引な解決をしています。でも、しっかりそこにドラマを用意していそうです。

 ちなみに、表紙と口絵を手がけているのは幸村誠。誰が言い出したんだか、素晴らしいアイデアです。

 というわけで、「プラネテス」や「ムーンライトマイル」、あるいは「星のパイロット」の好きな人は必読ですよ!