クーハンデル http://www.geocities.co.jp/Playtown-Darts/6878/bgeme03/bgeme112.html

 このゲームの目的は、4枚ある同じ家畜カードを、4枚一組で自分の前にそろえることにある。家畜それぞれで点数が違うから点の高い家畜を揃えたい。でもセット数で最後に掛け算するから、安い家畜でも揃えられるなら多く揃えたい。


 最初は、家畜は1枚ずつ競売にかけられる。競売はその手番プレイヤー以外のプレイヤーが自由に値を吊り上げる方式で行われる。値が決まったら、手番プレイヤーはその金額でその家畜を値をつけたプレイヤーに売ってもいいし、逆にぞの価格で自分が家畜を買い取ってもいい。その場合はその金額を値をつけたプレイヤーに支払う。


 プレイヤーは自分の手番に、この競売を行うだけでなく、「取引」を持ちかけることが出来る。
 この取引が、クーハンデルのメインシステムだ。


 取引は、「同じ家畜カードを持っている相手」とのみ行うことが出来る。前述したように、このゲームは同じ家畜カードを4枚一組で揃えるゲームだ。同じ家畜は4枚ぴったりしかないから、同じカードを持っている相手はすなわち「敵」なのである。自分が集めるか、相手が集めるか、二つに一つ。

 勝負の方法は簡単。

 まず取引を持ちかけた方から、1枚、ないし同じ2枚の家畜を前に出す。持ちかけられた方は、同数の同じ家畜をやはり前に出す。1枚対1枚、ないし2枚対2枚になる。

 次に、お互い同時に、任意の金額を手に握りこみ、やはり同時に相手に渡す。

 受け取った金額をチェック。多い金額を相手に渡した方が、前に出ている家畜を全て自分のものにする。2枚対2枚なら、その瞬間4枚まとめて自分のものにできるわけだ。


 例を挙げよう。
 Aが馬を2枚、持っている。Bは馬を1枚、もっている。
 Aは取引を宣言し、馬を1枚、前に出してBを指名する。ちなみにこの取引、持ちかけられたほうは拒否できない。

 Aは250金を相手に渡し、同時にBは200金を相手に渡した、とする。
 この場合、Aの出した金額の方が大きかったので、前に出した馬は2枚ともAのものとなる。つまり、Aは差額250―200=50金で馬を1枚手に入れたことになる。


 こうして、山になっている家畜カードを1枚ずつオープンして競売にかけるか、既に入手した家畜同士を出して取引をするか、を繰り返していき、最終的に全ての家畜が4枚ずつの組になるまでおこなう。そこで終了、得点計算して一番多い人が勝ち。


 さて、ここでもう一度、取引のルールを思い出して欲しい。

 取引に使う金額は、お互い握りこんで出すので、当事者同士しか、金額がいくら移動したのかはわからない。
 お互いがいくら金を持っているかは非公開だから、お互いのフトコロの探りあいになる。

 取引は差額の勝負だから、相手が欲しがっていて、自分はもう集めるのを諦めた家畜を、かなりの高額で売りつけるなんてこともできる。

 先ほどの例で、Aは3枚馬を手に入れている。ここで4枚目の馬をCが持っているとしよう。Aは最後の1枚が欲しい! それがわかっているから、Cからあえて馬を取引に出す。
 Aとしては、万が一にも負けて2枚対2枚にはしたくない。だから高額を握らざるを得ない。一方Cは、それを読んで、他の家畜を集めるために、あえて金をにぎりこまないという手が使える。(お金には0円というカードがちゃんと用意されている)そうすれば、Aの積んだ金額を丸儲けできる。

 あるいは。

 あるプレイヤーが、あるカードを競売で手に入れるのに、かなりの金額を支払ったとしよう。取引の金額はお互いしか知らないが、競売の価格はみんな知っている。
 その次のプレイヤーは、今その手に入れたばかりの家畜を持っていたら、そこでその家畜を前に出して取引をしかける、なんてことができる。相手は今お金を消費したばかりだから、勝てる。これをやられると、相手は金は使わされるは、わずかな金額で家畜を持ち逃げされるわで踏んだり蹴ったりに。
 しかし、相手の持っている金額を見誤ると、思わぬ資金に逆襲されて、自分の家畜を逆にわずかな差額で引き取られてしまう、なんてことも発生する。


 盤上の金の流れを読む。
 金の無いヤツの顔を札束で張り。
 金のあるヤツにやせた家畜を高額で叩き売り。

 金に対する嗅覚の鋭さが、このゲームの死命を制するのだ。


 さて。
 競売にかける山札の家畜が無くなり、全ての家畜がとにかくだれかの前に渡った後。

 あとは、自分の前の家畜が4枚揃うか、それともいなくなるか、それだけの勝負になる。
 最後は、どのプレイヤーもいずれは、ある一種類の家畜について、同じ家畜を持っているプレイヤーと取引勝負して終了になる。
 この家畜を揃えれば、点数は倍以上に。揃えられなければ負け必死。どちらにしろ、この取引で、自分にとってのゲームは終了する。

 (自分の持っている家畜は全部4枚揃いきってしまったプレイヤーは、もう取引もできないのでゲームから外れ得点計算を待つのみ)

 ゲーム終了時に持っているお金は、全く勝敗には関係しない。つまり、この取引に勝つか負けるか、そこに全てがかかってくる。

 では、自分の今持っている、全ての金額をぶつけて取引する、べきだろうか??

 考えて欲しい。
 相手はその取引に負ける、かもしれない。
 しかしその代わり、キミの全財産を継承する。
 相手がまだ揃いきらない数種類の家畜を持っているなら考えるべきだ。

 彼は、その膨れ上がった財力で、残りの家畜を全部そろえに行くはずなのだから!

 ・・・全額突っ込んで確実に勝ちに行くべきか。その後のことを考え、あくまですれすれの勝利を見切った金額を積むべきか。


 最後の最後まで、さあ、考えろ!!


 クーハンデルは、そんなゲームである。胃からヘンな液が出るのをキミも感じてみないか?