蒸気の時代 初体験

 と、言うわけで。
 マーティン・ワレスの「蒸気の時代」を初プレイ。

 評価の高いゲームであることを知っている一方。
 時間がかかること(3時間以上)、難易度高めなこと、そして鉄道ゲームであることを知っていたので、やや足の遠い作品ではありました。今回、たまたま機会があったのでチャレンジしてみることに。
 遊んでいただいたみなさん、どうもありがとう!


 今回は、プレイ経験豊富なPhyさんをコーチ役にして、ホストのローさんが数回(だったっけ?)プレイ経験あり。残りのホワイトさん、Mattyanさん、そしてワタクシが未プレイ、という状況でスタート。
 (このくらい経験値が実力に直結するゲームの場合、例えば5人中未プレイが1人だけ、とかになるとかなーり辛いひとときになりがちなので、今回はとてもラッキーでした。)


 で、基本マップで2回遊ばせていただきましたが、インストに45分、1回目が4時間以上、2回目が3時間強って感じでしたかね。なかなか歯ごたえのあるゲームでしたが、遊んでいる間は、あんまりダウンタイムを感じません。そのぐらい濃密な感じではあります。(まあ、時々長考して待ったり、待たせたり、せざるを得ない状況になるのですが)


 知らない人のために、簡単に、ゲームの構造を説明しておきましょう。

 ゲームの目的は、鉄道会社を経営して、会社の収益を上げることです。
 会社の収益は、マップ上に現れる貨物を輸送すること、でしか得られません。
 しかし、そのためには貨物を輸送できるよう線路を引き、機関車を運行させなければなりません。それらには全て経費がかかりますが、ゲーム序盤の所持金、および初期の収益はあまりにも少なく。また、さまざまな面で「先手番有利」なデザインであり、そのプレイ手番を所持金による「競り」で決定するため、競りの熱狂に負けるとあっという間に資金繰りが苦しくなります。
 足りない分の現金は、株券を発行することで補えます。が、発行した株に対しては毎ターン規定の配当を支払わねばならないため、当然、初期の株の乱発はボディーブローの様に経営を圧迫。あるプレイヤーが言う様に、「株の配当を支払うために株を発行する」という借金雪だるま経営への道が口を開けています。あな恐ろしや。
 経費を支払えない分は収益を削ることで補います。しかしゲーム開始当初はその収益すら少なく、うかつな行動は即破産=ゲームから脱落を意味しています。おおう。


 このゲームが良くできている!と思うのは、この「会社経営」の部分ですね。

 前述の「株券」と「配当」のルールのため、なるたけ株券は発行せずに済ませたい。そうすると、手持ちの現金はぎりぎりが理想的。慎重に「今回のターンの収益増加分」と「今回のターンの経費増加分」「路線拡張費用」を秤にかけることになりますが・・・しばしば、その計算は他のプレイヤーの介入によって狂います。(運ぶ予定の貨物を他のプレイヤーが運ぶ。敷く予定の路線を他のプレイヤーが敷設、等)
 そして、手番順(そして、手番順で入手する特殊能力が)非常に強力なため、「競り」はしばしばプレイヤーを狂気に誘います(誇張じゃない)。

 氷の冷静さを保ちつつ、盤面全体(マップ以上に、貨物の配置表が重要)を見る広い視野と、他のプレイヤーの動向を予測する目が必要。ビジネスゲームの愁眉と言えましょう。



 以下、僕の「好み」で言わせていただきます。
 盤面上に路線を配置していくゲームで、配置する1本1本に経費がかかるため―どうしても、パズル的な「美味い線路の引き方」っていう「要領」の面があったりします。
 個人的にこのゲームの愁眉は、上記に書いた様な「会社経営のテク」であって、こういった線路パズル的な部分は、僕にとっては「余計」です。もうちょいシンプルになってくれると嬉しい。
 まあ、僕が鉄道にまったく興味がないってのと、それ以上に、パズル的・配置的な要領をつかむのがヒッジョーに苦手ってことが大きいんですけどね。愚痴だと聞いていただければ。