ビジネスゲームと運(オーナーズチョイスに寄せて)

 2日に購入を決めたゲームたち。明日の午前中には届くのである。今からマニュアルを読むのが待ち遠しい。そう、ゲームを遊ぶのはもちろん大好きだが、事前にルールを熟読するのも好きなのである。にひひ。


 さてさて。

 今まで遊んでもらったプレイヤーたち、その中では、やや若い人でかつフリーク寄りの人には、運が勝敗に絡むのをあまり良しとしない傾向があるように見受けられる。
 まあ、僕もボードゲームにハマってから現在に至るまでの途中、「運ゲーなんて糞」みたいな考えの時が、確かにあった。皆が通過するひとつの「季節」なのかもしれない。


 また一方、ビジネスをテーマにした様な、拡大再生産型で長時間ゲームを好む向きにもこの考えは多い気がする。
 事実、上記の様なゲームの多くが、「最初のセットアップ時に状況のバリエーションとして乱数を使うが、以降は完全情報の元でゲームが進行する」というシステムを持っている。その方が、受けるのだと思う。僕の好きな「ケイラス」も(ビジネスゲームとは言い難いが)最初の建物の並び順とスタート順以外、一切の乱数を使わない。


 多くの、評価されるビジネスゲームが、


「正しい策があり、正しい策を実行すれば、正しく儲けが発生する」


というシステムになっている。そのことを否定したり非難する気は毛頭ない。それは正しい。

 しかし、それが「唯一の評価されるシステム」ではない、とも思う。


 というのは、現実のビジネスが(みんな知っている通り)そうは行かないから、だ。


「正しいと思える策がある場合もあるが、どれが正しいかわからない場合もあり。正しい策を実行しても、正しく儲けが発生する、とは限らない」


 のが現実のビジネスだ。現代のマーケティング理論の結論は、簡単に言えば「明日売れるものが何だかはわかりません。だから、わかったら即そのビジネスができるよう、即応体制を整えましょう」になっている。より儲けが出る期待値の高いサイコロを選んで、振り続けるのが現実のビジネスなのである。

 と、するならば。

 やはり、オーナーズチョイスを「結局サイコロ任せ」と言ってビジネスゲームとして認めない、というのは違うような気がするのである。


 溜まりに溜まったファンドを回収に行って、1/6の確率で現状維持の目を振ってしまいがっくり来るとき、ある意味、「リアルなビジネスの厳しさ」をちょんもり感じたりするのは私だけだろうか??


 というわけで、オーナーズチョイス。私は好きなゲームである。
 
 ちなみに、欠点がないとは思わない(5人プレイはちょっと無理だと思うし、コンポーネントは判別し辛く、プレイの長さもあと半周分ぐらい長いとちょうど良い気がする)。


 もちろん、嫌いだという誰かがいても一向に構わない。ゲームなんて嗜好品なので、好き嫌いがあって当然なのであり、好きなゲームを選んでプレイすれば良いと思う。