PROJECT Say−龍 第一回公演「無稽・本能寺」@シアターVアカサカ

 一口に言ってしまうと、

「純粋な明智くんは、秀吉・官兵衛・三成の悪知恵サル軍団に一族郎党丸ごとボコられました。でも明智くんとお市の方の運命の恋人たちは、遥かな時を超え現代、生まれ変わって再会の誓いを果たすのでした、めでたしめでたし」

 となってしまう。でも。ワルモノがちゃんと悪く、良い者がちゃんと善く描かれているだけに、最後に二人がめぐり合う「だけ」ではカタルシスにならない。少なくとも僕はそうだった。

 それは僕がオトコだからなのか? と思い、いっしょに観た女の子たちに聞いてみると、どうも筋立てがどうのこうの、というより全体の雰囲気のかっこよさとかでおなか一杯、満足満足、になってるっぽい。

 なるほど、そういう芝居もあっていいのかもしれん。


 ギャグの入れ込み具合や全体のテンポ、殺陣などは手馴れてきた感じがする。
 舞台の最初の、全キャストが登場する踊りは確かにかっこよかった。和太鼓も使い方がよい。
 サル軍団大将である羽柴越前守秀吉、これを演じる佐藤秀樹は、その持ち味が十二分に生かされていたと思う。