piper『ニコラス・マクファーソン』@新宿 紀伊国屋サザンシアター

 1時間半の短めな舞台に、ぎゅっと笑いとシリアス?と仕掛けのひしめいた舞台。
 緻密に仕組まれ、いっぺんの余分を感じない見事な構成はやはり大王の仕事。素晴らしい。

 正直、筋書きや結末に対して「あっと驚く!」「この感動は忘れられない!」というものは無い。
 しかし、職人の手になる美しい工芸品、箱根寄木細工を見た時のような余韻がある。

 小劇場のエンターテイメント志向の舞台諸君は、もっとこういう舞台を見ておくべきだ。
 けっしてこれをやれ、というのではない。が、派手なセット、強烈な歌とか踊りとか、あるいは余分なシーンとか台詞とか無しでも、これだけのことができる、という素晴らしい見本になる。

 ・・・ま、もちろん、金を出してセットは買えても、「構成力」は買えないからなぁ・・・